25歳リーマンが0から起業するまでのブログ

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「スタンフォード式最高の睡眠」を読んで

睡眠について書かれた書籍の中で、近年最も注目を集めているが本書だろう。 
スタンフォード式 最高の睡眠

スタンフォード式 最高の睡眠

 

 

本のタイトルからして、海外の医師が書いた書籍の邦訳かと思ったが、著書はなんと日本人の医師であった。
以前に比べれば、近年の日本では睡眠の重要性がかなり意識され始めたように感じるが、世界的に見たらまだまだ日本人の睡眠時間は短い。
当然、日本人の睡眠への意識はまだまだ低いと思っていたので、このベストセラーが、日本の、しかも多忙を極める医師が書いたものであったというのは少々驚きであった。
 
この著者の専門はナルコプレシーという原因不明の過眠症であり、その解明に向かって30年以上もスタンフォード大学で研究を続けてきたそうだ。
スタンフォード大学は睡眠医学のメッカ的存在である。事実、1963年に世界初の睡眠研究期間「スタンフォード睡眠研究所」を設立している。
著者はその睡眠医学の中心地で、日々集まってくるデータと、自身の研究の成果をもとに本書を書き上げている。
  
 
本書の内容に入る前に、日本人の睡眠時間について今一度振り返ってみたいと思う。
 
以下は28カ国の平均睡眠時間のデータだが、日本は28カ国中最下位であり、その平均睡眠時間は6:30である。
 
 
このデータを見て読者の皆様はどのように感じられただろうが。
自分より長いと感じられただろうか?
おそらく会社員の皆様は、6:30も眠れるなんて十分じゃないか!と感じるかもしれない。
実際、僕の周りの人たちにも平日は6時間睡眠という人が多い。
 
 
たしかに6時間も眠れれば、朝は多少眠いが、よほどのことがない限り、
日中に自分のパフォーマンスが落ちていると感じる人は少ないのではないだろうか。
しかしこの本によれば、個人の差はあれど理想的な睡眠時間は7時間前後であると説いている。
 
 
ここで、この本の優れている点について話しておきたいと思う。
それは、この本が睡眠時間を伸ばすことが健康に良いという当たり前の話を語るに留まらず、
それよりはむしろ、日本人の短い睡眠の状況を踏まえた上で、睡眠の質を最大限高めて、短い睡眠時間でも最大限のパフォーマンスを出せるようにしようという趣旨で書かれている点である。
 
 
したがって、本書では睡眠の質をいかにして高めるかということが書かれている。
いくつかここでも紹介しておこうと思う。
 
①最初の90分間を最高にする。
睡眠には眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠があるが、これらはレム睡眠、ノンレム睡眠レム睡眠、ノンレム睡眠・・・といったように、交互に90分周期で繰り返される。
生物の体はノンレム睡眠時に回復するのだが、特に最初のノンレム睡眠が一際深い眠りであり、睡眠全体への影響が最も大きい。
また、最初のノンレム睡眠を深く眠ることができないと、その後何時間眠ろうが、一向に深い眠りはやってこないということなのである。これは非常に恐ろしい。
今日は早く帰れたからたくさん寝るぞ!と意気込んで、早い時間にベットに入ったとしても、最初の90分の質を意識していなければ、どれほど眠っても睡眠不足は解消されず、次の日もやはり眠いままということになりかねない。
②体温スイッチを活用する。
上記の90分を最高にするために提唱されている方法のひとつが体温スイッチを活用する方法である。
人間の身体は体内深部の温度が下がると眠くなるようになっている。
つまり深い眠りにたどり着くためには、体内深部の温度を下げる必要がある。
この深部温度を下げるために、「人間の身体は体温が上がるとそれを下げようとする」という性質を利用するのである。
具体的には就寝90分前の入浴が最適解である。入浴することによって、体内の温度は一時的に上昇するが、時間がたつと徐々にさがり始め入浴前の体温より低くなる。
そして、この体温が下がったところで最も強い眠気がやってくるため、そのタイミングで眠ることが睡眠の質を高めることにつながる。 
③睡眠前に脳を興奮させない。
よりよい睡眠を得るためには、眠る前に脳を興奮させないことも重要である。脳が興奮した状態では深い眠りを得ることができず、特に入眠前の興奮は最初の90分の睡眠の質を下げることになるため、何としてでも下げないといけない。
著者はベッドに入る前にはスマホをみないことを推奨している。しかし、ここで注意して欲しいのは、巷で言われているブルーライトの影響を言っているのではないということである。
ブルーライトの影響を受けるためには、画面をかなり顔に近づけてジッと見続ける、ぐらいのことをしないといけないそうだ。
著書が言っているのはスマホで得られる大量の情報と、その操作(SNS、ゲームなど)が脳を容易に刺激し、興奮状態に追いやってしまうということなのである。
 
 
これ以外にも、最高の睡眠を得るためのメッソドと、その医学的解説が本書ではなされているので、詳しくは書籍をご覧いただきたい。
 
 
最後に本書の終わりに書かれている言葉を紹介して、締めくくりとしたい。
「あなたはすでに覚醒中、あらゆる努力や工夫をし、パフォーマンスを上げようとしているかもしれない。でも、それは人生の3分の2の部分の努力だ。」
 
人生の3分の1を占める睡眠という活動を最高のものにすることによって、残りの3分の2の時間を、より最高のものにしていけるように生きたいものだ。